台湾では、技術や著作物を創作した者が、必ずしも当然にすべての権利を取得するわけではありません。海外で商標や特許を取得していても、台湾で自動的に保護されるわけではありません。職務著作、委託開発、職務発明、譲渡、ライセンスにはそれぞれ異なる帰属ルールがあり、商標・特許では属地主義と出願時期も重要です。本テーマでは、従業員、創業者、外部委託先、パートナーに関する事例を通じ、商標の冒認出願、共有特許、営業秘密、AI生成物、学習データを取り上げます。台湾での製品投入、コード納品、技術公開の前に、出願、秘密保持、ライセンス、成果物の帰属を整理します。 本コーナーは、旭時報 SUNRISE(寧旭メディア)が Startup Island TAIWAN のために企画・制作しています。 監修|法務:中銀法律事務所 財務・税務:urCFO 本コーナーの内容は、2026 年 8 月時点の台湾の法令に基づいています。その後の法改正は反映されていません。個別の案件については、専門家による個別の判断が必要です。
Startup Island TAIWANは、採用チャネル、人材育成プログラム、エコシステムパートナーとスタートアップをつなぎます。大学ネットワーク、スタートアップ求人プラットフォーム、コミュニティイベント、台湾での人材獲得・定着を支援する政府支援プログラムなどのリソースがあります。
いいえ。自国で取得した商標権や特許権は、台湾では効力を持ちません。台湾で改めて出願する必要があります。 商標権、特許権、著作権はいずれも属地主義に従い、台湾における権利の成立、範囲および行使は、台湾の法令によって定まります。商標権と特許権について台湾で主張できるのは、台湾で登録されたものだけです。外国企業が国外ですでに商標権や特許権を取得していても、台湾で権利を主張し保護を受けるには、台湾で出願し登録を受ける必要があります。 商標と特許は、台湾経済部智慧財産局(以下「知的財産局」といいます)に出願して登録を受け、登録後にはじめて第三者に対抗できる権利になります。なお台湾の「専利」は、発明専利、新型専利、設計専利の三つを含みます。日本の特許、実用新案、意匠にそれぞれ対応する制度です。著作権はこれと異なり、台湾では創作した時点で著作権が発生し、登録は不要です。台湾では「創作保護主義」と呼ばれます。著作者が台湾で主張するのは、台湾著作権法による保護です。
なぜそれが重要なのか知的財産局が商標登録を査定し公告した後に、権利者は商標権を取得します。存続期間は10年です。特許については、知的財産局が審査して特許査定を行い、公告した後に、出願人が特許権を取得します。 著作権は登録が不要であるため、私権をめぐる争いが生じた場合、台湾の裁判所は、権利者が提出した証拠に基づいて、誰が著作者か、著作物がいつ完成したかを認定します。
何をするか1. 商標の出願は、商品を市場に出す前に始めてください。まず、同一の区分に同一の商標がすでに登録されていないかを調査し、そのうえで出願書類の準備と提出に必要な期間を確保します。知的財産局が商標を受理してから登録査定に至るまで、実務上の一般的なケースで6か月から7か月ほどかかります。これは実務上の目安であり、法定の期間ではありません。 2. 商標登録の範囲は、周辺まで含めてください。競合他社が、同一または類似の商標を別の区分で先に出願することがあります。商標のポートフォリオを組む際には、中核となる商品とその周辺のサービスを併せて登録し、保護範囲を十分に確保してください。 3. 特許を出願する際は、優先権を主張できるかを確認してください。根拠は台湾の専利法第28条第1項です。貴社の自国と台湾が相互に優先権を承認している場合、または自国が世界貿易機関の加盟国である場合、自国での最初の出願日から12か月以内であれば、同一の発明について台湾に出願し、優先権を主張できます。知的財産局はその出願を審査する際、自国での最初の出願日を判断の基準日とし、その発明に新規性があるか、既存の技術と比べて進歩性があるかを判断します。したがってこの12か月の間に、発明がすでに公然実施され、または公衆に知られていたとしても、知的財産局はそれを理由に出願を拒絶しません。この制度により、貴社は比較的低いコストで特許のポートフォリオを最大限に広げることができ、開発初期の段階でどの国が主要市場かを決めきれず、どの国に先に出願すべきか判断できないという問題も解決できます。 4. 重要な研究開発の成果については、一案両請という運用を採ってください。同一の創作について、同じ日に発明専利と新型専利を別々に出願する方法です。知的財産局は発明専利を実体審査し、技術内容を一項ずつ確認するため時間がかかり、その間、成果が模倣されるおそれがあります。新型専利は方式審査のみで、書類の形式と必要記載事項を確認し、技術内容は審査しません。実務上の一般的なケースでは、6か月以内に権利を取得できます。発明専利の実体審査が終わり、拒絶理由がなければ、知的財産局は期限を定めて、どちらか一方を残し他方を放棄するよう通知します。この方法により、出願人は最も手厚い特許保護を得られます。 5. 著作物については、開発・創作の段階から記録を残してください。著作権者は、創作の過程、公表、その他権利に関する事項の資料を保存し、自らの権利を証明する根拠としてください。少なくとも次の4点が必要です。(1)誰が著作者かを証明すること。(2)著作物の完成時期を示すこと。(3)他人の模倣ではなく、独自に創作したものであることを証明すること。(4)貴社の著作物に独自の創作部分があり、パブリックドメインの素材を作り直しただけではないことを証明すること。パブリックドメインとは、著作権による保護を受けず、誰でも自由に利用できる素材を指します。市場に著作権を侵害する物品が現れた場合、著作権者は税関または警察に対して、その物品の差押えを求めることもできます。 ケース:ある著名ブランドが、台湾市場で模倣品を発見し、侵害者に対して侵害行為の差止めと損害賠償を求める訴訟を提起することにしました。 このブランドは、次の4点を自ら揃える必要がありました。(1)模倣品の写真など、侵害の態様を示す証拠を用意すること。(2)模倣品が販売されていた期間など、侵害が続いた期間を示す証拠を用意すること。(3)模倣品が自社の商標権と著作権をどのように侵害しているかを説明する、侵害品鑑定意見書を用意すること。(4)模倣品がもたらした損害額を見積もり、損害賠償の請求額を算定すること。
必ずしもそうではありません。契約で明確に定めていなければ、著作財産権は制作した側に帰属し、貴社が取得するのは出資の目的の範囲内で利用できる権利にとどまります。 台湾ではこれを二つの場合に分けています。1. 貴社が雇用する従業員が職務上完成させた著作物については、著作者は従業員であり、著作財産権は貴社に帰属します。ただし、契約で従業員に帰属すると定めたときは、その定めが優先されます。2. 貴社が外部の制作会社やフリーランスに費用を負担して制作を委託した著作物については、著作者も著作財産権も、原則として受託者、つまり仕事を受けて制作した側に帰属します。 従業員を直接雇用する場合、特別な契約条項は必要ありません。著作財産権は原則として貴社に帰属します。外部に委託する場合は、契約で帰属を先に定めておかなければ、著作財産権は貴社のものになりません。
なぜそれが重要なのか外部委託による開発で、契約に帰属の定めがまったくない場合、台湾著作権法は著作財産権を受託者に残します。貴社が費用を負担して取得するのは、利用する権利です。 その利用権がどこまで及ぶかは、貴社が何のために出資したのか、そして契約が何を達成しようとしていたのかによって決まります。その範囲内であれば、複製、つまり作り直したり複写したりできますし、翻案、つまり改変や改版、派生バージョンの作成もできます。範囲の認定にあたり、裁判所は当事者が当時何を合意していたのかを、契約の目的や当事者間のやり取りから検討します。その合意の内容は書面に限られず、やり取りの記録も判断材料となります。
何をするか委託して制作させた成果物の著作権を貴社のものにしたい場合、次の4点を参考にしてください。 1. 実務上、委託契約に、著作権が出資者、つまり費用を負担して委託した側に帰属すると明記されていれば、通常は出資者を著作者とする合意があったものとして扱われます。 2. 著作財産権については、別の条項を設けて定めてください。貴社を著作者とする定めがない場合でも、著作財産権を取得したいのであれば契約で定める必要があり、その内容には明確な権利譲渡条項を含めてください。著作財産権とは、複製、翻案、他者への利用許諾に関する権利をいいます。これに対し、著作者人格権は著作者本人だけに帰属し、公表権、氏名表示権および不当な改変を受けない権利(同一性保持権)を含み、著作者の名誉や声望などの人格的利益を保護するものです。これらの権利は譲渡、相続または許諾することができず、契約で定められるのは、著作者が権利を行使しないことまでです。 3. 制作を実際に受託し、その成果に責任を負う個人または事業者と契約してください。制作を担当しない仲介業者とのみ契約し、実際の受託者との間に契約関係がない場合、法律上、貴社が出資者と認定されず、これらの権利を直接主張できないことがあります。 4. 著作財産権を定めず、その著作物を何に使うのかを定める方法もあります。出資の目的の範囲内で使えれば足りるのであれば、契約の書き方は、上記の著作財産権の譲渡とは異なります。 ケース:ある会社が設備業者から電気制御設備一式を購入し、設置完了後に業者が全データのバックアップを引き渡すことを取り決めました。その後、設備が故障した際に、この会社は、修正後のプログラムのバックアップも、業者が設定したパスワードも入手できないことに気づき、自らの利用権が侵害されたとして損害賠償を請求しました。 裁判所はこの種の争いを扱う際、出資者が何のために費用を負担したのか、契約が何を目的としていたのかを検討し、それに基づいて出資者がどこまで利用できるかを判断します。この事件では契約に利用範囲の定めがなかったため、利用権をめぐる争いは台湾の最高法院(日本の最高裁判所にあたる終審裁判所です)まで及びました。最高法院は、注文書の項目説明欄の一行だけを根拠に許諾がなかったと認定した原審の判断は早すぎるとして、原判決を破棄し、審理のために差し戻しました。
できません。契約に「使用を許諾する」としか書かれていない場合、第三者へ再許諾する権利は与えられていないものと推定されます。 台湾の著作権のライセンスには、専属的許諾と非専属的許諾の二種類があります。専属的許諾は台湾法上の用語で、日本でいう独占的な利用許諾に近い制度です。貴社が受けたものが非専属的許諾であれば、著作財産権者の同意を得ない限り、その権利を第三者に再許諾することはできません。 契約に「使用を許諾する」としか書かれておらず、専属か非専属かが明示されていない場合、まず確認すべきなのは、貴社が受けた許諾がどちらに当たるのかという点です。
なぜそれが重要なのか専属的許諾の効力は、多くの方が考えているよりも強いものです。専属的許諾を受けると、許諾された範囲内で、著作財産権者の地位において権利を行使でき、侵害があった場合には自社の名義で訴訟を提起することもできます。専属的許諾の範囲内では、訴訟を提起できるのは被許諾者であり、もとの著作財産権者は提起できません。同じ範囲内では、もとの著作財産権者はその権利を行使できず、同じ範囲を他者に許諾することもできません。 台湾著作権法第37条は、許諾の地域、期間、内容、利用方法について、当事者の取り決めによると定めており、取り決めが明確でない部分は許諾されていないものと推定します。ただしこの推定は最後の段階であって、最初の段階ではありません。争いが生じた場合、裁判所はまず、その契約によって当初どのような協業を実現しようとしていたのかを見て、貴社がどの権利を取得し、どのように利用できるのかを判断します。契約に書かれていなくても、当時双方に明らかな共通認識があった部分は、判断材料となります。これらから判断できないときに、はじめて取り決めが明確でないと認定され、許諾されていないものと推定されます。 貴社の目的が、著作財産権をすべて取得し、他者による利用を排除できる状態にすることであれば、交渉すべきなのは許諾ではなく譲渡です。許諾は債権的な効力にとどまり、貴社と許諾者との間でのみ効力を持ちます。譲渡は権利の主体そのものを変えるため、貴社が新たな著作財産権者となり、より全面的に権利を取得する方法といえます。
何をするか1. 契約書に「専属」または Exclusive の語があるかを確認してください。「販売代理」や「独占」としか書かれておらず、専属である旨が明記されていない場合、法律上は非専属的許諾と推定されやすくなります。そのように推定されると、第三者による侵害に対して自ら権利行使できず、自社の名義で訴訟を提起することもできません。 2. グループ会社へ再許諾するには、契約に明確な再許諾条項が必要です。グループ内の他社は、貴社と関係があっても別法人であり、ここでは第三者に当たります。非専属的許諾しか受けていない場合、著作財産権者の同意がなければ、その権利を第三者に再許諾することはできません。 3. 許諾範囲の四つの要素、すなわち地域、期間、内容、利用方法を漏れなく定めてください。書かれていない部分は、法律上、許諾されていないものと推定されます。 4. 条件交渉に入る前に、必要なのは利用なのか、それとも保有なのかを決めてください。一定の範囲で利用でき、かつ他者を排除できる状態が必要であれば、契約に専属的許諾であることを明記します。著作財産権そのものを移転させたいのであれば、契約には譲渡を定めます。両者は契約上の書き方がまったく異なります。
事前の取り決めがなければ、特許は実際に発明をした側に帰属します。 貴社が費用を負担して研究開発を委託する場合、特許が誰に帰属するかは、双方が事前に締結した共同開発契約によって決まります。契約に定めがなければ、特許は発明者に帰属します。出資者である貴社はその発明を実施でき、自ら製造し、使用し、販売することはできますが、権利そのものは貴社のものではありません。 最も安全なのは、契約で特許の帰属を明確に定めておくことです。契約に共同開発と特許の共有を定めるのであれば、「共有」にどのような制約があるのかを先に把握しておく必要があります。
なぜそれが重要なのか特許の帰属は、まず発明者と出資者がどのような関係にあるかによって決まります。 1. 貴社が台湾で直接雇用する従業員が職務上完成させた発明について、その発明に係る特許権は貴社に帰属します。ただし台湾の専利法は、発明をした従業員に対して雇用主が相当な報酬を支払うことも求めています。これは開発予算に組み込んでおくべき費用です。 2. 発明者が台湾で契約したパートナーである場合は、状況が異なります。貴社が共同発明者であると主張するには、貴社または貴社のチームが技術の着想に実際に関与したことを示す必要があります。 特許の帰属が争われた裁判実務では、台湾の裁判所は二つの点を見ます。技術仕様書を誰が作成し提出したのか、そして技術的方針、設備および研究プロセスを誰が決定したのかです。仕様の要求を出し、報酬を支払い、事務的な連絡を担当しただけで、技術は相手方が自ら決めていた場合、実務上、共同発明者と認定されることは困難です。 共有特許を選ぶのであれば、共有に伴う数多くの制約も理解しておく必要があります。 1. 一つ目は許諾です。共有者間で別段の明確な合意がない限り、共有特許を第三者に許諾するには、原則として共有者全員の同意が必要です。パートナーが反対すれば、自社のグループ会社にも、子会社にも、その他いかなる第三者にも技術を許諾できません。この状態を「許諾のデッドロック」といいます。 2. 二つ目は処分です。共有特許における貴社の持分は、他の共有者の同意がなければ、担保に入れて融資を受けることも、第三者に譲渡することもできません。 もう一つ注意すべきなのが著作権です。二社が共同で開発すると、成果はソースコードと技術的な解決手段の両方にわたります。前者は著作権で、後者は特許で保護されます。共有の著作財産権は、全員の同意がなければ行使できず、自社で利用する場合でも相手方の同意が必要です。契約ではこの二種類の成果を分けて扱ってください。
何をするか1. 作業を始める前に、特許の帰属を契約に定めてください。貴社の単独所有と定めることもできますし、共有としたうえで誰が単独で許諾できるのかを併せて明記することもできます。重要なのは書いておくことです。定めがなければ、法律上の帰属は、必ずしも当事者の想定どおりにはなりません。 2. 共同開発の方式をとる場合は、証拠を残してください。少なくとも三点、研究ノート、開発日誌、そして技術的な詳細をやり取りしたメールです。これらは、貴社の従業員が中核技術の着想に関与したことを示すために使います。 3. 条件交渉に入る前に、単独帰属と共有のどちらを求めるのかを決めてください。共有を受け入れ、かつ単独で許諾できる権限を契約であらかじめ確保していない場合、その後に第三者へ許諾するには相手方の同意が必要になります。相手方が同意する用意があるかどうかは、交渉の段階で確認しておくべき事項です。
期間は、相手方の商標登録が公告された日から起算します。三か月以内であれば異議申立てが可能です。この期間を過ぎた場合は「評定」に切り替えます。評定は台湾法上の手続で、日本の無効審判に相当し、期限は五年です。相手方が悪意による先取り出願によって著名商標の登録を受けていた場合には、五年の制限もありません。 台湾では、先に出願し、登録公告を受けた者が商標権を取得します。貴社のブランドを何年も使用してきたとしても、相手方が同一の商標を先に出願して登録を受ければ、商標権は相手方に帰属します。 先に登録されてしまった場合、取り得る方法は二つあります。一つは、台湾で従来の商標を引き続き使用できる状態を守ること、すなわち善意の先使用を主張する方法です。もう一つは、知的財産局に相手方の登録を取り消してもらうこと、すなわち異議申立てまたは評定です。
なぜそれが重要なのか一つ目の方法は善意の先使用ですが、四つの制限があります。 1. 台湾国内ですでにその商標を使用していた者だけが主張できます。つまり貴社がすでに台湾に進出し、使用を始めていることが前提です。自国で何年も先に使用していたことを、台湾で善意の先使用として主張することはできません。 2. 使用を開始した時点で、他人がすでに登録している事実を知らず、他人が先に使用していた事実も知らず、かつ不公正な競争を目的としていないことが必要です。 3. 先使用の状態が中断せずに続いていることが必要です。 4. もともと使用していた商品または役務の範囲でのみ、使用を続けられます。 主張が認められた場合でも、相手方の商標権者は、消費者が区別できるよう適切な識別表示を付すことを求めることができます。 二つ目の方法は、相手方の登録を取り消すことです。台湾商標法には、外国企業にとって特に価値のある二つの事由があります。 1. 著名商標は登録を受けられません。貴社の商標が台湾で先に登録されていなくても、台湾内外で相当の知名度を有し、知的財産局の著名商標名簿および事例集に著名商標として記載されているか、裁判所の判決で著名と認定されていれば、何人も異議を申し立てることができます。 2. 悪意による先取り出願も登録を受けられません。先取り出願をした者が、契約、地縁、取引関係その他の関係によって貴社の商標の存在を知りながら、模倣する意図で出願した場合にも、何人も異議を申し立てることができます。 商標法のほかに、公平交易法(台湾の公正取引に関する法律で、日本の不正競争防止法にあたる規律も含みます)にも二段の防御線があります。 1. 貴社の表徴がすでに著名であるものの、台湾で登録されていない場合です。公平交易法第22条が保護対象とするのは、まさにこの状況です。法により登録して商標権を取得したものは商標法に戻って扱われ、この条の適用を受けないためです。保護される表徴には商品の外観の特定のデザインが含まれ、この条が守るのは公正な競争であって、技術的機能ではありません。識別力のある特徴を他者が高度に模倣し、消費者に混同誤認を生じさせれば、この条に違反します。 2. 貴社の表徴が著名とまではいえない場合です。それでも公平交易法第25条が包括的な防御線を残しています。ある会社が取引の相手方を欺いたり、明らかに不公正なやり方をとったりして、市場の取引秩序に影響を与えていれば、違法となりうるという規定です。たとえば、かつて貴社と協業した機会を利用して資料や許諾を得た者が、その後に名称が極めて類似したイベントを開催する場合です。他人の努力の成果を搾取し、ただ乗りする行為は、商業倫理の観点から非難に値し、取引秩序に影響を与える著しく不公正な行為と認定される可能性があります。
何をするか1. まず期間を確認してください。相手方の商標登録が公告された日から数えて、三か月以内であれば異議申立て、三か月を過ぎていれば評定です。 2. 「著名」であることを示す証拠を整理してください。表徴が著名かどうかを判断する際、裁判所は四つの点を見ます。識別力の強さ、マーケティングを続けた期間と投入した費用、メディアで報道された量、そして受賞歴です。長期間にわたって使用し、広告宣伝を重ね、メディアに広く報道された結果、消費者がその外観と貴社とを結びつけるに至っていれば、著名表徴としての地位が認められます。 3. 同時に、現在の使用も守ってください。台湾ですでに使用していたのであれば、上記の四つの制限をすべて満たしているかを確認したうえで、善意の先使用を主張するかどうかを決めてください。 4. 何を求めているのかをはっきりさせてください。商標を自社名義にしたいのであれば、取るべき方法は相手方の登録を取り消すことです。販売を続けられれば足りるのであれば、取るべき方法は善意の先使用です。二つの道で必要な証拠はまったく異なります。前者では、貴社の商標が著名であること、または相手方が悪意であったことを証明する必要があり、後者では、台湾で先に使用しており、その使用が中断していないことを証明する必要があります。 ケース:A 社が、ある商標を飲食サービスの区分で出願し、登録が認められました。B 社は悪意による先取り出願にあたるとして異議を申し立て、知的財産局は審査の結果これを認めて当該登録を取り消しました。A 社はこれを不服として、訴願および行政訴訟を提起しました。 裁判所は取消しを支持しました。争点は「その他の関係」をどう読むかでした。裁判所は、両者の間に取引関係がなくても、台湾国内の関連業種または競合業種の間で、事業運営を通じて他者が先に使用している商標を知っていた場合には、それも「その他の関係」にあたると判断しました。A 社と B 社は同業の競合関係にあり、A 社は B 社が先に使用していた商標の存在を知っていたはずであるにもかかわらず、相当程度類似する図案で出願しており、模倣の意図があったことは明らかであるとされました。