台湾で人を採用する場合、契約の名称だけで関係が決まるわけではありません。実際に誰が指揮命令し、どのように働き、誰がリスクを負うかが重要です。請負、コンサルティング、EORと記載しても、当然に雇用関係が否定されるわけではありません。試用期間、労働時間、残業、休暇、解雇も、海外親会社の制度をそのまま適用できません。本テーマでは、現地法人、EOR、業務委託の選択から、雇用契約の現地化、整理解雇・懲戒解雇、労工保険・全民健康保険、労工退休金、給与源泉徴収、外国人材のビザ・税制優遇、人員派遣に伴うPEリスクまでを扱い、オファー、報酬、赴任前に人事・税務・入管手続を整えます。 本コーナーは、旭時報 SUNRISE(寧旭メディア)が Startup Island TAIWAN のために企画・制作しています。 監修|法務:中銀法律事務所 財務・税務:urCFO 本コーナーの内容は、2026 年 8 月時点の台湾の法令に基づいています。その後の法改正は反映されていません。個別の案件については、専門家による個別の判断が必要です。
「Talent Taiwan」は、国家発展委員会傘下の総合リソースハブであり、さまざまな分野の外国人人材を誘致するとともに、台湾に到着した外国人への支援を行っています。同組織は、外国人が台湾で生活する際に直面する一般的な課題の解決に取り組んでいます。台湾での生活を始めるすべての人にとって頼りになる窓口であり、就職、住居、銀行、教育、税金、ビザなどに関するサポートを提供しています。 「Talent Taiwan」は、台湾への定住を希望する外国人に対し、業界関係者とのつながりの構築、求人マッチングや移住支援、海外からの専門家の台湾での定住支援など、包括的な相談・支援サービスを提供しています。また、専門家が個人的および職業的な目標を達成し、台湾を第二の故郷とできるよう、台湾の豊富なリソースとのつながりも提供しています。ビザの種類や台湾への渡航に関する詳細については、「Talent Taiwan」のウェブサイトをご覧ください。
台湾に子会社や支店(台湾の登記上は分公司)を設立する前でも、人を雇うこと自体は可能です。もっとも、台湾に設立した子会社または支店を雇用主とし、そこが直接従業員を雇用する形が、最もリスクが低く、最も単純な方法です。これ以外に、現地のサービス事業者に名義上の雇用主(台湾では名義雇主)になってもらう方法と、業務委託または請負の形で人に仕事を依頼する方法の2つがよく用いられます。ただし、この2つの方法では、実務上、外国企業が最終的に法律上の雇用主と判断されることが多く、同じ雇用主責任を負うことになります。
なぜそれが重要なのかこの2つの方法で外国企業が雇用主と判断されることが多いのは、台湾の裁判所が雇用主を判断する際に、契約書上の雇用主欄にどの会社の名前が記載されているかではなく、事実上誰がその働き手を指揮監督しているかを見るためです。実務上、この判断要素は「従属性」と呼ばれます。すなわち、働き手が、仕事の割り当て、報酬の出どころ、組織上の位置づけという3つの面で、実際にどの会社の支配を受けているか、ということです。この3つの面で実質的な支配主体が貴社であると認められる場合、契約書上の雇用主が現地のサービス事業者や請負業者であっても、裁判所が外国企業こそが法律上の雇用主であると判断し、貴社に雇用主としての責任を負わせる可能性があります。
何をするか1. 最も望ましいのは、台湾に子会社または支店を設立して雇用主とし、直接従業員を雇用することです。これが最もリスクが低く、最も単純な方法です。台湾の子会社または支店が雇用主となり、法令に従って従業員を労工保険および全民健康保険に加入させます。ただし、この方法をとる前提として、台湾での事業展開が、支店または子会社を設立する段階に達していることが必要です。 2. 台湾に子会社または支店がまだない段階では、現地のサービス事業者に、雇用文書上の雇用主になってもらう方法があります。この場合、現地のサービス事業者が「名義上の雇用主」となります。台湾では「名義雇主」と呼ばれ、外資系スタートアップでは Employer of Record(EOR)と呼ばれることが多い形です。サービス事業者が貴社に代わって従業員を雇用し、必要な社会保険にも加入させます。この方法の法的リスクは相当に高いといえます。雇用文書上の雇用主と、実際に仕事を割り当てる会社とが同一ではないため、いったん紛争が生じた場合、従業員を実際に指揮監督している外国企業が法律上の雇用主と判断され、台湾の労働基準法に基づく雇用主責任を負うことになる可能性があります。 3. 業務委託または請負の形で、独立した個人または会社に特定の業務を引き受けてもらう方法もあります。この方法で貴社が雇用主責任を負うかどうかは、委託先が実際に貴社に対して従属性を有しているかによります。まず2点を確認してください。1つは、その人が出退勤時にタイムカードを打つ必要があるかどうか、もう1つは、その人が業務内容について自ら判断し決定する余地を持っているかどうかです。タイムカードを打つ必要があり、業務内容もすべて貴社の指揮監督に従っているのであれば、契約書に業務委託または請負と記載されていても、裁判所が貴社とその人との間に雇用関係が成立していると判断し、貴社が雇用主責任を負う可能性があります。実務上、こうした形は「假承攬、真僱傭」(形式は請負でも実質は雇用、という意味です)と呼ばれています。 4. 台湾で最初に迎える人が、毎日貴社から業務の指示を受ける立場にあるのか、勤務時間を決めているのは貴社なのか。この2点は貴社が誰よりもよく分かっているはずであり、裁判所が実際に見るのもまさにこの点です。
はい。その人が実際に台湾で労務を提供している限り、台湾の労働基準法が原則として適用されます。判断の基準は労務提供地、つまりその人が実際にどこで働いているかであり、国籍でも、雇用契約をどの国で締結したかでもありません。
なぜそれが重要なのか台湾の労働基準法第3条第3項は、この法律がすべての雇用関係に適用されると定めています。中華民国の領域内で実際に履行される労働関係は、原則として適用範囲に含まれます。もっとも、例外に当たるかどうかを判断するのは雇用主ではありません。経営形態、管理制度、業務の特性などの要因により、この法律を適用することが実際に困難であるとして、中央主管機関である労働部が指定・公告した業種または労働者に限り、適用範囲から除外されます。労務提供地が重要になるのは、雇用契約のもとで、その場所が従業員の実際に労務を提供する場であるだけでなく、法的効果が実際に生じる場所でもあるからです。賃金の支払方法、労働時間の算定、労働安全上適用される要件は、いずれも従業員が実際にどこで労務を提供しているかによって決まります。
何をするか台湾の労働法について、まず押さえておくべき基本は次のとおりです。 1. 賃金は貴社と従業員との間で取り決めますが、最低賃金を下回ることはできません。2026年1月1日から、月額の最低賃金は29,500台湾ドル、時間額は196台湾ドルです。この金額は変動しますので、主管機関(所管官庁)の公告に随時ご注意ください。 2. 従業員は、結婚、忌引、私用、病気などの事由により、台湾の労工請假規則(労働者の休暇取得に関する規則)に基づいて休暇を取得できます。同規則は最低基準であり、貴社がこれを上回る条件を定めている場合には、その定めによります。台湾には台風の接近により就業停止が発表される独特の慣行があり、「颱風假」と呼ばれています。この日は、台湾の労働基準法上の「休假日」(法定の休暇日)には当たりませんが、従業員が災害により実際に出勤できなかった場合、貴社はその日を無断欠勤として扱うことはできず、事假(私用休暇)や特別休假(年次有給休暇)の使用を強制することもできません。従業員が通常の通勤手段で出退勤することが困難となり、タクシーを利用する必要がある場合、貴社はその費用を負担し、通勤支援の内容を雇用契約、団体協約または就業規則に定める必要があります。 3. 従業員が労働災害により疾病、負傷、障害または死亡に至った場合、貴社は必要な医療費および賃金、ならびに障害または死亡に対する補償を支払う必要があります。同一事故について労工保険からすでに給付された部分は、貴社が法令上支払うべき補償に充当できます。 4. 本国から台湾へ社員を長期派遣する場合、雇用契約を本国で締結していても、その社員が台湾で労務を提供している限り、台湾の労働基準法が適用されます。
1. 1年ごとの契約は有期雇用契約にあたりますが、台湾でこれを結べるのは4種類の業務に限られます。通常の恒常的なポジションはこの4種類に含まれず、法律上は無期雇用契約を結ぶ必要があります。2. 試用期間中に適性がないと判断した場合、契約を終了することはできます。実務では、その従業員が担当業務を遂行する能力を明らかに欠くことを終了事由とすることが多いのですが、法律上それは資遣(法定事由によ
なぜそれが重要なのか1. 有期雇用契約について 台湾の裁判所は、ある契約が有期か無期かを、契約書の記載ではなく、業務内容に継続性があるかどうかで判断します。判断の基準は、その職務の労務内容が、雇用主が継続的に維持しようとする経済活動に属するかどうかです。 業務自体に終了時期があり、会社が長期的に必要とする職能ではない場合には、有期労働契約を結べます。たとえば、駐車場の運営を一定期間受託した雇用主が、その期間のために募集する駐車場管理員のポジション、あるいは研究機関が特定の研究プロジェクトのために採用するポスドク研究員のポジションが挙げられます。 2. 試用期間について 試用期間中の適性なしを理由とする契約終了では、実務上、その労働者が担当する業務を遂行する能力を明らかに欠くことを終了事由とすることが多くみられます。これは台湾の労働基準法が定める資遣事由の一つですので、試用期間の終了時に継続雇用しない場合、貴社は資遣の手続を踏む必要があります。
何をするか1. まず、そのポジションが有期雇用契約を結べる4種類のいずれかに当たるかを判断してください。4種類はいずれも非継続的な業務であることが前提です。(1)臨時性の業務とは、終了時期を予測できず、期間が6か月以内のものを指します。(2)短期性の業務とは、終了時期を予測でき、6か月以内に完了するものです。(3)季節性の業務とは、季節的な原料・材料の供給源または市場での販売状況に左右され、期間が9か月以内のものを指します。(4)特定性の業務とは、特定の期間内に完了できるもので、その期間が1年を超える場合は主管機関に申請し、核備を受ける必要があります。4種類のいずれにも当たらない場合、無期雇用契約を結ばなければなりません。 2. 継続雇用しないと決めた後は、従業員の勤続期間に応じて事前に予告してください。勤続3か月以上1年未満の場合、10日前に予告する必要があります。勤続3か月に満たない場合は、法律上の予告期間の定めはありませんが、資遣のその他の手続は行う必要があります。所定の予告をせずに契約を終了した場合、本来予告すべきであった日数分の賃金を支払うことになります。 3. 資遣費の支払いです。労工退休金の新制度が適用される従業員には、試用期間の長短にかかわらず支払う必要があります。計算方法は、勤続1年ごとに平均賃金の2分の1か月分、1年未満の期間は比例計算とし、労働契約終了後30日以内に支払いを完了しなければなりません。 4. 従業員の離職日の10日前までに、その従業員の氏名、住所、電話番号、担当していた業務その他所定の事項を、所在地の主管機関および公立就業服務機構(公共職業安定機関にあたります)へ通報してください。これは台湾の就業服務法第33条の定めです。通報先は行政機関であり、従業員本人ではありません。この手続は必ず完了させる必要があり、行わなければ就業服務法違反となります。 5. 離職する従業員は、貴社に2種類の書面を求めることができます。1つ目は服務証明書で、従業員から請求があった場合に貴社は拒むことができず、在職期間と職名を証明するものです。2つ目は非自願離職証明書(本人の意思によらない離職であることの証明書)で、従業員が失業給付を申請する際に必要となります。資遣事由による離職は、非自願離職に当たります。 ケース あるスタートアップが、月給3万台湾ドルで事務アシスタントを1名採用しました。試用期間中に、会社は業務を遂行する能力がないことを理由に契約を終了しました。この従業員は会社に非自願離職証明書の発行を求めましたが拒まれ、裁判所に提訴しました。会社は本人が自ら退職を申し出たと主張し、退職理由として適性なしと記載された退職申請書を証拠として提出しましたが、その書面には本人の署名も押印もなく、会社の内部資料にすぎないとして、裁判所は採用しませんでした。裁判所はさらに、会社の代表者がメッセージアプリで本人に対し、試用期間は30日であり基本研修が不合格であったと伝えていた事実を認定しました。裁判所は、この従業員が自ら退職したのではなく、会社が試用期間中に審査したうえで適性なしと判断し、試用期間について留保していた終了権を行使して契約を終了したものと認定しました。裁判所は同時に、会社が試用期間中に契約を終了したこと自体は有効であるとしました。合意された30日という試用期間の長さが合理的な範囲を超えておらず、会社による権利の濫用にも当たらないためです。もっとも、それでも会社は非自願離職証明書の発行を拒むことはできません。
できません。台湾では、雇用主が従業員の雇用を終了できるのは、その理由が労働基準法の列挙する事由に当たる場合に限られます。米国の employment at will(随意雇用)のように、理由を示さずにいつでも終了することはできません。列挙された事由は2種類に分かれ、手続もコストもまったく異なります。1つは資遣(予告と資遣費を伴う解雇)、もう1つは懲戒解雇です。
なぜそれが重要なのか1つ目は資遣です。事由には、事業の廃止または譲渡、経営上の損失または事業の縮小、不可抗力により1か月を超えて事業を停止したこと、事業の性質の変更により人員削減が必要となり、かつ他に適当な職務への配置も難しいこと、そして従業員が担当する業務を十分に遂行できないことが含まれます。この方法をとる場合、貴社は従業員の勤続期間に応じて事前に予告し、資遣費を支払う必要があります。 2つ目は懲戒解雇です。前提として、従業員に重大な非違行為があることが必要です。たとえば、雇用主や同僚に対する暴行、正当な理由のない3日連続の欠勤、労働契約または就業規則に対する違反であってその情節が重大であるものなどです。この方法をとる場合、貴社は予告なしに契約を終了でき、資遣費を支払う必要もありません。 もっとも、用いる事由が労働基準法の列挙に当たる場合であっても、台湾の裁判所はもう一点を確認します。解雇が適法かどうかを判断するにあたり、裁判所は解雇最終手段性の原則を重視します。すなわち、雇用主は従業員を解雇する前に、その従業員の権利利益への不利益がより小さい他の手段を尽くさなければなりません。すべての改善措置が功を奏さず、かつその従業員を配置できる他の適当な職務も存在しない場合に、裁判所はその解雇を適法と認めます。
何をするか1. 従業員数が30人に近づいたら、「工作規則」(就業規則にあたります)を準備しておいてください。台湾の労働基準法第70条は、労働者を30人以上雇用する雇用主に対し、事業の性質に応じて工作規則を定め、主管機関の核備(審査のうえ認める手続)を経たうえで公開掲示することを求めています。(1)工作規則に記載すべき事項には、労働時間、休憩と休暇、賃金の基準・計算方法・支払日、時間外労働、手当と賞与、遵守すべき規律、勤怠と休暇の取扱い、賞罰と昇進、採用・解雇・資遣・退職、災害傷病補償、福利厚生が含まれます。(2)従業員数が30人に達した時点から30日以内に、所在地の主管機関へ工作規則を提出して核備を受ける必要があり、その後に改訂した場合も同じ手続をあらためて行います。(3)工作規則が法的効力を生じるのは、主管機関の核備を経て公開掲示した後です。核備の手続を完了していない工作規則は、実務上、従業員を拘束しないと解されることが多いといえます。(4)工作規則を定めない場合、または核備の手続を完了しない場合、過料は新台湾ドル2万元以上30万元以下です。 2. 従業員が担当業務を十分に遂行できないことを理由に資遣する場合、事前に人事評価制度と業績改善計画を十分に設計し、記録を残しておく必要があります。会社の事業目標にもとづき、その従業員の職位や等級に見合った業績基準を設定してください。従業員が長期にわたり基準に達せず、改善のための指導を経てもなお改善がみられない場合に、裁判所はその従業員が担当業務を十分に遂行できないと認定しやすくなります。適切に設計された業績改善計画には3つの要素が必要です。(1)実質的な支援です。教育訓練、上司による支援、その他の改善のための資源を提供します。(2)合理的な期間です。改善の成果を示すのに十分な時間を従業員に与えます。(3)配置転換の検討です。解雇の前に、配置転換、降格、減給といった代替手段を検討し、より不利益の小さい他の措置をすべて試したことを確認します。 3. 資遣をする場合、従業員の勤続期間に応じて事前に予告し、資遣費を支払ってください。予告期間中、従業員は勤務時間内に休暇を取って求職活動ができ、その時間の賃金は通常どおり支払う必要があります。 4. 懲戒解雇をする場合、非常に短い期限に注意してください。会社がその非違行為を知った日から30日以内に、労働契約を終了させる必要があります。30日を過ぎると、会社はその非違行為を理由に契約を終了できなくなります。 5. 違法な解雇となった場合に生じうる結果を、あらかじめ評価しておいてください。手続に瑕疵がある場合や、解雇が比例原則に反する場合、裁判所は雇用関係が存在することを確認する判決をします。その場合、貴社は従業員を復職させるだけでなく、解雇日から復職日までの賃金および法定利率による利息を支払い、さらに労工退休金を遡って拠出する必要があります。訴訟のコストとリスクを踏まえ、実務上は和解による処理が一般的です。ただし、和解の合意において従業員に資遣費や予告期間の賃金をあらかじめ放棄させる条項は、強行規定に反するため無効となります。 ケース A社は、ある技術者について、業務の遂行の仕方が労働契約および就業規則に重大に違反したことを理由に解雇しました。この技術者は、雇用関係の存在の確認と賃金の支払いを求めて提訴しました。A社は、この技術者が就業規則に違反し、その違反が重大であったと主張しました。しかし裁判所は、A社が解雇の前に人事評議委員会(社内で人事処分を審議する組織)の決議を経ておらず、この技術者に意見を述べる機会も与えず、解雇を通知して労働契約を終了させた事実を認定しました。その手続はA社自身が定めた人事評議委員会組織規程に適合せず、手続上の重大な瑕疵があるため、この解雇は手続的な公正さを欠くと判断されました。
法定の通常労働時間は、1日8時間以内、1週40時間以内です。従業員に残業をさせるには、まず本人の同意を得る必要があり、残業時間には上限があります。さらに、7日ごとに2日の休みを与える必要があり、そのうち1日は例假(台湾の労働基準法上の休日の一種)、もう1日は休息日(もう一方の休日)です。この2日は名称が異なり、従業員がその日に就労する場合に適用されるルールも異なります。
なぜそれが重要なのか台湾の労働基準法第36条は、7日ごとの2日の休みを例假と休息日の2種類に分けており、それぞれの規律が異なります。 1. 例假は、原則として就労させることができません。天災、事変または突発的な事件という3つの法定事由がある場合にかぎり、従業員を例假に就労させることができます。それ以外の場合は、従業員の同意があっても就労させることはできません。従業員を例假に就労させた場合、主管機関から是正を求められるほか、その日の賃金は倍額で支払う必要があります。 2. 休息日は、就労させることができますが、賃金の割増が必要です。休息日は従業員を就労させることができますが、賃金の割増率は平日の残業より高くなります。 例假については、就労させることができる場合が厳しく制限されています。休息日については就労させることができますが、そのかわりに割増率が高くなります。7日のうちどの日を例假とし、どの日を休息日とするかは、貴社と従業員との取り決め事項です。週の途中で変更する必要がある場合、従業員と協議して同意を得る必要があります。もう1つの前提は、従業員を6日を超えて連続して就労させられないことです。
何をするか1. まず、台湾の労働時間に関する3層の上限を守ってください。(1)通常の労働時間は1日8時間以内、1週40時間以内です。(2)労働時間を延長するには、まず従業員の同意を得る必要があります。延長した時間と通常の労働時間を合わせて1日12時間が上限となり、1か月の延長時間の合計は46時間までです。(3)より柔軟な運用が必要な場合、労働組合の同意、労働組合がない場合は労使会議の同意を得て、3か月単位の総量管理に切り替えることができます。この方法をとった場合、延長時間は1か月54時間、3か月ごとに138時間を超えることができません。天災、事変または突発的な事件については、別途例外が設けられています。 2. 残業代は、平日の時間外労働と休息日の労働という二つの区分に分けて計算します。(1)平日の延長時間のうち最初の2時間については、平日の1時間あたりの賃金額に3分の1以上を加算します。さらに延長した2時間以内は、3分の2以上の加算です。(2)休息日の出勤は割増率がより高く、2時間以内は平日の1時間あたりの賃金額に1と3分の1以上、2時間を超えて就労した部分は1と3分の2以上の加算です。 3. 残業代を受け取るか補休(残業代に代えて取得する代替休暇)に振り替えるかの選択権は、従業員にあります。従業員が労働時間を延長した後、または休息日に就労した後、残業代を受け取るか補休に振り替えるかを本人が選ぶことができます。ただし補休の取得は貴社の同意を得てはじめて可能となり、補休の時間数は実際に就労した時間数に対応します。補休の使用期限は、貴社と従業員との協議によって定めるものです。使用期限が到来した時点、または雇用契約終了時に未消化の時間数があるときは、その時間数について、当該残業日または休息日出勤日の賃金計算基準により、賃金として支払う必要があります。 4. 休日勤務の取扱いは、休日の種類ごとに分けて設計してください。(1)例假と休息日の日付は貴社と従業員との間で取り決め、週の途中で変更するには協議と同意が必要で、従業員を6日を超えて連続して就労させることはできません。(2)国定休日に勤務を割り当てる場合、従業員の同意を得る必要があり、賃金は倍額で支払います。つまり、その日の本来の賃金に加えて、もう1日分を支払うことになります。もう1つの方法もあります。従業員の同意を得て、ある国定休日を別の労働日に振り替えた場合、振替後は本来の休日が労働日になっているため、その日に就労しても、倍額支給の対象にはなりません。 5. 特別休假(年次有給休暇にあたります)の日数は勤続期間に応じて算定し、日付を指定する権利は従業員にあります。(1)日数は次のとおりです。同一の会社で勤続6か月以上1年未満は3日、1年以上2年未満は7日、2年以上3年未満は10日、3年以上5年未満は14日、5年以上10年未満は15日、10年以上は1年ごとに1日を加算し、上限は30日です。(2)特別休假の日付は従業員が自ら指定します。事業運営上の緊急の必要がある場合、または従業員本人に個人的事情がある場合にかぎり、双方が協議して調整します。(3)年度終了時または雇用契約終了時に未消化の特別休假の日数がある場合、会社は賃金として支払う必要があります。年度終了時の未消化分は、従業員と協議して翌年度に繰り越すこともできますが、繰り越し後、翌年度の終了時または雇用契約終了時になお未消化であれば、同様に賃金として支払う必要があります。